マシンを使ったトレーニングで、本当の動ける身体を作れないのはなぜ?

パーソナルトレーニング

今回はマシントレーニングだけじゃ、動ける健康な身体を作ることは出来ないって話をします。

ファンクショナルトレーニングのススメ

 NSM( National Academy of Sports medicine )というアメリカの理学療法士の方が作った団体ではこのように言ってます。

ファンクショナルな動きとは原則、固定に伴った多面的な運動がキネティックチェーン内のすべての関節に起こるものであり、この動きが様々な単位の色々なスピードで起こるものであるって言ってます。意味不明って感じ(笑)

また別の方は、多くの筋群を動作パターンに統合していく多関節運動は機能的であるとか、他にもいろんな方がファンクショントレーニングついて語っています。

ファンクショナルな動きとは原則、固定かそれに伴った多面的な運動がすべての関節に起こるものである。

ますますfunctional Training の意味が分からないっすね。((笑))

マイケルボイルっていうアメリカのストレングスコーチは、

参考文献です。マイケルボイル著 中村千秋監訳

ファンクショナルトレーニングは、今最も注目されているトレーニングである!

このトレーニングを行うことによって、スピードやパワーを高めるだけではなく、怪我を減らしパフォーマンスを高めることができます。

これまでの筋力トレーニングのイメージはパワーやスピードを高めるためのマシントレーニングが中心であったと思われますが、

マシンで筋力アップすることがかえって怪我につながることが指摘されるようになりました。

そもそもマシンと実際の場面では筋の使われ方が大きく異なるのです!

不安定な状況の中では予期せぬ動きや捻じれなど実際の場面では、マシンで想定できない数々の動きが起こります。

なのでマシンでストレングスを高めれば高めるほど強化できなかった筋が実際の場面で損傷を受ける可能性が高くなっていると言えるのです。

このような問題を解決するために登場したのがファンクショナルトレーニングです。

スポーツコンディショニングという意味でも非常に重要なトレーニングと言えます。


マイケルボイルは言っています。

ファンクショナルトレーニングとは=ムーブメントトレーニング

っていうような言い方をしてます。

ファンクショナルトレーニングっていうのは、筋肉がついて物質的に大きくなって筋肉量が多いとか脂肪量が少ないとかではなく、人の体の動きを良くするためのトレーニングであると言えます。

それがファンクショナルトレーニングなんですね~(まだわからん)

では、ファンクショナルトレーニングをスポーツパフォーマンスに置き換えてイメージしてみたらどうでしょうか?

理学療法士でありCSCSである グレイクックっていうアメリカのトレーナー(グレイクックバンドって有名なトレーニングアイテムを開発した人)が考えたスポーツのパフォーマンスを高めるためのトレーニング理論(紹介)

FMSについての本
FMSは1995年に理学療法士グレイクックとリー・バートンによって開発されました。
元来は、高校生アスリート達の障害(ケガ)に対するリスク予測やパフォーマンス向上の為の評価手法として生まれました。

サッカーでいうとスキルっていうのはサッカーで必要なボールをコントロールするとかシュートを打つ、ドリブルするとか実際にサッカーに直結するスキルですね。

そのボールコントロールだけが上手かったらサッカーとして成り立つかって言うとそううまく行かないのです。サッカーって90分走る必要がありますし、その間に相手と競り合って負けないだけの筋力や走りきる体力が必要です。ジャンプするパワーや基礎的な体力も必要ですね。

例えばサッカーが上手くなりたいとかパフォーマンスを上げたいって言うとこの辺りの筋力とかパワーのことをたくさんトレーニングしますよね?

しかし、その前に必要なものがムーブメントって言うものです。

このムーブメントとは?

言っちゃえば、体の動きそのものです!

例えばサッカーでボールを蹴るならボールを蹴るだけに必要な股関節の可動域や

ボールを蹴る時に蹴る瞬間に体幹を固定する力も必要となります。

この辺りがしっかりと安定できているのかどうかが必要で、ムーブメントが大切なんです。

スポーツ選手だけではなく、一般の人でも同じで

例えばものを下から上に上げる時っていうのはあの必要な肩の可動域が絶対なければいけないですし、物をあげるときに肩の可動域プラス体幹が安定してないとものを持ち上げることはできません。

人の体の基本的な動きそういうものが大前提にあって

その上にパフォーマンスやスキルがあるのです。

この体の動きを整えてくれるものがファンクショナルトレーニングです。

動きのトレーニングとも言い換えられます。

 functional Training is not  technic but principleって書いてます。

ファンクショナルトレーニングはテクニックではなく

原理原則なんです。

例えばピラティスとかヨガとか確立されたメソッドではなくて

人の体の動きはある程度決まっているので

そういう人の体の動きを原理原則に伴って、その動きを良くする、

つまり機能を良くするトレーニングであれば何でもファンクショナルトレーニングといえます。

理学療法士によるファンクショナルトレーニングについて

最近はファンクショナルという言葉がスポーツやトレーニングの世界でよく耳にするようになってきました。

ファンクション とは機能的という意味であるが、病院において理学療法士によって実施されるリハビリテーションエクササイズはまさにファンクショナルトレーニングなんです。 

例えば理学療法士がスポーツ競技の特異性を考えたトレーニングプログラムを作成したり、受傷後のアスリートのリコンディショニングをしたりすることは、まさにアスレチックリハビリテーションでありファンクショナルトレーニングなんです。

私は理学療法士として25年間の臨床経験がありますが、筋肉至上主義的な考えはかなり薄れています。

人間の体は非常に複雑であり、トレーニングにより筋肉を肥大させる行為(大きさ、太さ)よりも、人間の体のパフォーマンスを上げるためには、ファンクショナルトレーニングが重要だということに気づいています。

多くの一般の方が意識することのない身体活動で生じる筋肉の動きは神経系にも支配されています。またそれを動かすための関節可動域も必要です。

身体の使い方の上手い下手は、複雑な神経回路と骨関節系の動きにより、パフォーマンスに影響を与えます。

マシントレーニングでは、パフォーマンス向上を得られない理由

マシントレーニングはマシンそのものによって負荷の安定性が保たれており、

機能的とは言えない。

よくマシントレーニングは安全であると言われているが、それに対する代償が払われているのである。

トレーニングの中で怪我の発生が少ない反面、

固有受容器からの入力情報(身体の位置や動きに関する感覚的情報のフィードバック)や安定性は低下し、競技中に起こる怪我の危険性を高める要因となり得るのである。

またスポーツ競技で単関節のみの運動で行われるものはほとんどない。

ファンクショナルトレーニングは多関節運動である。

有名なストリングスコーチのゲリーグレイは「特定の筋のみを強化する単関節運動はとても機能的とは言えない!それに対し多くの筋群を動作パターンに統合していく多関節運動は機能的である!」と述べている

ファンクショナルトレーニングでは自体重を負荷として用い、かつ競技で必要とされる体勢で行うため、単純な動作でも自体重をどのようにコントロールすれば良いかが分かるようになる。

さらにバランスや固有受容器(空間における身体の位置関係の感知)などへの刺激がトレーニングの中に意図的に組み込まれているので非常に優れたトレーニングであると言える。

したがって、パフォーマンス向上が必要な身体活動において、マシントレーニングでは超えられない限界があることが想像できる。

ファンクショナルトレーニングにはバランストレーニングが含まれる。

ガンベッタとグレーは「ファンクショナルトレーニングのプログラムには、

コントロールできる範囲の不安定な環境を導入し、選手が選手自身のバランスを取り戻すために反応しなければならないような環境が必要である」と述べている。 

トレーニングは全方向への動きの中で自体重をコントロールすることを主眼としたエクササイズの連続である。

ファンクショナルトレーニングは動きのトレーニングであり、筋の強化ではないことを強調している。

つまり特定の動作によって筋力を過剰に発達させるのではなく、プッシュとプル、膝関節優位の股関節伸展(大腿四頭筋と臀筋)そして股関節優位の股関節伸展(ハムストリングスと臀筋)におけるバランスを獲得することが重要である。

キネティックチェーンの概念

1990年代理学療法士の ゲリーグレイによって紹介されたキネティックチェーンという概念はこのファンクショナルトレーニングを語る上で最も重要と考えられる。

我々理学療法士が一般的に運動学で学び使用する言語として、屈曲、伸展、内転、外転などの動きの定義ではなく、キネティックチェーンという新しい概念を基に筋機能を理解するように奨励した。

どのような概念か?

解剖学では単関節における筋の働きについては学ぶが、実際の歩行で使われる筋の働きについては触れられない。

それに比べ、キネティックチェーンの概念は、動きを起こすために協働している関節と筋の相互関係を説明している。

歩行を例にすると

歩行時の下肢の機能は、 足部が接地する際に地面に倒れこむのを防ぐため、体幹から下にある筋(殿筋、大腿四頭筋、ハムストリングス)全てが足関節、膝関節および股関節が曲がらないように働く。つまりかしのきん全てが同じ機能を有しており、足関節、膝関節、股関節の屈曲運動が減速するように機能しているのである。

着地動作において大腿四頭筋は膝関節の伸展筋として働いているのではなく、膝が屈曲しないようにエキセントリック(伸張性)に収縮している。

またハムストリングスが膝関節の屈曲筋ではなく、実際には膝関節と股関節が屈曲しないように働いている。

ランニング時では

ランニングの接地期では下肢の全ての筋は動きを引き起こすのではなく、止めるために協働している。

つまりエキセントリックに収縮し、足関節、膝関節、股関節の屈曲を減速させているのである。 足部が設置して下肢関節の屈曲運動が減速した後、下肢筋は再び一つのシステムとして働き、今度は下肢関節の伸展運動を開始する。

大腿四頭筋は膝関節を伸展させるだけでなく、足関節底屈と股関節伸展をも補助している。

すべての筋は前半で動きを止めるためにエキセントリックに働き、

その後すぐ今度は動きを起こすためにコンセントリックに働いているのである。

下肢の伸展運動が行われる時、歩行やランニングでは使われることもない筋の機能や神経系の働きが動員される。 いわゆるオープンキネティックチェーン筋活動を起こしていることになる。

オープンキネティックチェーンとは足部が地面あるいは安定した台に設置していない状態をいう。

筋を実際の使われ方と同様にエクササイズするには、クローズドキネティックチェーンで足部が接地した状態で筋活動を起こさせる必要がある。

したがって下肢に関して言うとオープンキネティックチェーンあるいは単関節での運動は非機能的であると言える。

用語のまとめ

  • オープンキネティックチェーン:足部が地面あるいは安定した台に設置していない状態での筋活動である。
  • クローズドキネティックチェーン:足部が設置した状態での筋活動

ファンクショナルトレーニングの五原則

その5原則についてこの後お話しさせていただきます

  1. 重力(gravity)を利用する
  2. 分離(dissociate)と協同(integrate)
  3. キネティックチェーン(kinetic chain)
  4. 3面運動(3dimension movement pattern)
  5. 力の吸収(loading)と力の発揮(unloading)

1、重力について

地球上に存在している限り、我々は必ず重力に常にさらされてます。

それは毎日の不変なことですね。

今日は重力まあまああるけど明日になったら重力が半分になりますってことはないですよね~。

明日も今日も不変な重力がかかってます。

この重力に対して、しっかりと体が対抗できる体になっていないと生活は困難です。垂直方向にかかっている重力を上手に利用したトレーニング。

無意識下で働いているトレーニング。

腹筋の活動とプランクの活動を例にして見るとわかりやすい。

どちらがファンクショナルナトレーニングか?

スクワットが優れている理由にもなる。

股関節の屈曲を様々なポジションでやってみると重力刺激の有無により別の筋肉を鍛えることが出来る。(立位での股関節屈曲)(腕立ての状態での股関節屈曲、側臥位での股関節屈曲等)


2、分離と協働

複数の関節が同時に働いて動いてます。

その時に役割分担をしましょうってのが分離と協働です。

例えば、肘関節の屈曲と伸展を例に説明(動きと固定)

動くところがあり、止まってるところがあればこれを役割を分担しましょう。

これを分離と言います。

実際に動作を起こす時は止まってるところと動いてるところが同時に働くことによって動作ができるわけです。

分離と協働を理解する上で一番最初に

人の体には役割分担があります。

人の体には動きやすい関節とそうでない関節があります。

それをまず見分けなければいけません 。

椅子に座っていただいて足をまっすぐ伸ばします。

そのまま自分の膝から下だけをできるだけ動かします。

脛から下だけを大きく回旋させるように動かしてくださいと言って、おそらく脛から先を動かせる人ってのはいないですよね。

人の膝っていうのはあんまりグリグリねじれるようになっていないからです。

3,キネティックチェーン

運動連鎖といいますが、人間の体は単一の筋肉だけで動いているわけではなく、多くの筋肉が互いに連鎖しながら機能しています。

4,3面運動

3面とは矢状面、前額面、水平面のことです。

矢状面は前後の動き、

前額面は左右の動き、

水平面は回旋の動きを指します 。

作は前後・左右・回旋すべての動作で構成されている

5,力の吸収と力の発揮

動作時に力を発揮する前には力を吸収する動作が行われます。例えば、ジャンプ動作では飛び上がる前に、無意識に軽くしゃがみ込んでからジャンプします。

力を発揮する(筋肉の収縮)前には筋肉を伸ばしてから動作を行っているので、トレーニングでも力の発揮と吸収の動きを取り入れる必要があります。

参考文献:

ファンクショナルトレーニング | 健康長寿ネット
ファンクショナルトレーニングとは、一つの筋肉に対する筋力トレーニングではなく、怪我の予防、パフォーマンスの向上を図る為に機能的動作の習得とトレーニングの実施が必要であるという考え方です。本頁では、ファンクショナルトレーニングの効果・方法について解説します。

トレーニング前の準備運動(ウォームアップ)


イタリアブランド テクノジム社製 ARKE を使ったファンクショナルトレーニング
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました